上京2年目の4月、同期から「来週の日曜、お花見行かない?」とLINEが来ました。返事は「行きたい!」。日曜の朝、「ごめん、予定変わっちゃった」が届く。カーテン越しの午後の光のなか、冷蔵庫だけが開閉音を立てています。スマホでは、保存しておいたお花見の投稿を上から下まで見返しました。その日、僕は家から一歩も出ていません。
行きたくなかったわけではありません。一緒に行く約束が消えたあと、ひとりで行く選択肢が、頭の中に出てきませんでした。Coelia代表の小幡十矛です。2021年に石川県から東京へ出てきました。この記事は、同伴者がいなくて止まっていた頃の順番の話です。
Coelia代表・小幡十矛が、なぜCoeliaを作ったのかを書いています。なぜCoeliaを作ったのか
同期と約束したお花見が消えたあと、カレンダーだけが埋まりませんでした
その週のあと、僕がやったことは決まっていました。検索窓に「お花見 20代 交流会」と打ちます。候補を3つ開く。日時を確認します。そこで止まります。「誰と行く?」の欄が、ずっと空白のまま。
頭の中の順番はこうでした。①友達を見つける → ②日付を決める → ③イベントに行く。学生時代は、この順番が自然に回っていました。地元に知り合いがいたから、①が先に終わっていました。
東京では、①が終わりません。②に進めません。③どころか、桜の散る速さのほうが、僕のカレンダーより先に走っていました。イベント案内は、発車時刻表みたいに日付だけ並んでいるのに、僕はホームに立って「友達が乗ったか」だけ確認している状態(その友達、いつできるの、とすぐ自分でツッコんでいる)。
友達ができてから行く派で、既読のつかないLINEより当たらない予報を待っていました
動けない理由を探すうちに、検索語がだんだんズレました。「東京 20代 友達 作り方」、「交流会 初心者 一人」、「ひとり参加 恥ずかしい」。気づいたら、カレンダーアプリの通知設定を3回見直していました。お花見の不安を解消しようとして、リマインダーの鳴る曜日をいじます。これが、当時の僕の4月の定番コースです。
同期に「今度こそ一緒に行こう」と送ったLINEは、既読がつきました。返事は翌日。内容は「来週はどう?」。僕は「来週の日曜で!」と返して、また日曜を待ちました。既読がつかないLINEは、桜前線の予報より当たりません。それでも、同伴者が決まるまで日付を動かさない順番は、変えませんでした。
自分に言い聞かせていたのは、はっきりしていました。「本気で行きたいなら、ひとりでも行くはず」。周りは飲み会の誘いにさっと返事をしています。自分だけ、「誰と?」の欄が埋まりません。友達ができてから行く派(その友達、いつできるの)だと思い込んでいました。
20代はイベントをキャンセルしたい派ではありませんでした
あとから調べて、食い違いに気づきました。僕は「20代=イベントを面倒がる世代」だと思い込んでいました。データは、別の方向を向いていました。
タメニーが2025年12月12日に未婚20〜59歳2,465人へ行きました季節イベントに関する調査では、20代の47.9%が「避けたい・面倒・キャンセルしたいと思ったことがない」と答えています。全年代のなかでいちばん高い値です。
避けたい理由を聞く設問では、全体1位が混雑56.0%、2位がコスト45.5%。「一緒に行くパートナーや友人がいないから」は27.5%で4位です。20代内訳の公表はありませんが、イベント自体を嫌っているより、同伴者側で止まる人が一定数いることは読み取れます。
ここが、この記事のミッドポイントです。止まっていたのは、イベントが怖いからではなく、同伴者が揃うまで日付を動かさない順番でした。僕は「行きたくない」のではなく、「行ける日が来ない」側にいました。
会社の外に知り合いがいなくても、ひとりで動く人は珍しくありません
もう一つ、順番を崩す材料になりました。BIGLOBEが2023年11月に全国20〜50歳1,000人へ行きました調査です。
| 設問 | 20代の回答 |
|---|---|
| 会社以外のつながりがまったくありません | 48.2% |
| つながりを増やしたい | 48.4% |
| 一人行動が好き、または気になりません | 66% |
会社の外に知り合いがいない人は、約半数。それでも66%は一人行動を気にしていません。同伴者がいない=異常、ではありません。僕が「友達ができてから」と待っていたのは、少数派の条件ではありませんでした。待っていたのは、自分で決めた順番だけでした。
僕が変えたのは、気持ちではなく順番です。①日付を先に置く → ②その日来られる人を後から探す、またはひとり参加前提のイベントに行く。花火の話を深掘りした記事は花火大会に一緒に行く人がいないときに詰まっているものに書いています。申し込みボタンの前で止まる話は20代がイベントに来ない理由は熱量不足ではありませんでしたが近い入口です。
日付を先に置いたら、止まっていた理由の半分が消えた
試したのは、ダーツの交流会でした。同期に誘わず、日付だけカレンダーへ入れた。理由は単純で、案内に終了時刻が書いてありましたからです。帰りが読めないと、僕は申し込みの前で止まります。
| 順番 | 僕がやっていたこと | 日付が動くか |
|---|---|---|
| 同伴者待ち | 友達が決まるまで日付を置きません | 動かない(季節だけが過ぎる) |
| 日付先 | 日付を置き、ひとり参加OKの回へ行く | 動く(その日に行動が1つ減る) |
当日は運営が同席していました。入り方に迷ったときは、その場で相談できます。話題をゼロから発明しなくてよい進行でした。帰り道で思ったのは、欲しかったのは「一緒に行く友達」ではなく、「日付がカレンダーに残る感覚」でした、ということです。
週末の予定表だけが空白のときの一歩目は土曜の予定が白すぎて、カレンダーが北極でしたという記事です。
一緒に行く人がいなくても、日付だけは先に置けます
いま振り返ると、止まっていたのは社交性の欠如ではありませんでした。同伴者が揃うまで日付を動かさない、という自分で選んだ順番です。20代の47.9%が季節イベントをキャンセルしたいと思ったことがないデータと、66%が一人行動を気にしないデータは、同じ方向を指しています。
変えたのは、会う人の数ではありません。日付を先に置く順番だけです。30センチ先の他人は、いまも他人のまま。それでも、週に1つ、カレンダーに名前の付いた予定があると、名前の付かない時間のほうは、そのまま放っておけます。
よくある質問
一緒に行く人がいないとイベントには行けませんか?
行けます。BIGLOBE調査では20代の66%が一人行動を好きまたは気にならないと答えています。運営が同席していてひとり参加OKのイベントを選べば、同伴者を先に用意しなくても日付を置けます。
友達ができてからイベントに行く順番は正しいですか?
正しくない場合があります。同伴者待ちの順番だと、日付だけが過ぎます。日付を先に置き、その日来られる人を後から探すか、ひとり参加前提の場に行くほうが動きやすいです。
20代はイベント自体を面倒がっていますか?
全体像はそうではありません。タメニー調査では20代の47.9%が季節イベントをキャンセルしたいと思ったことがないと答えています。避けたい理由1位は混雑56.0%で、同伴者不在27.5%より前です。
ひとり参加は恥ずかしくないですか?
場次第です。ひとり参加が多い回か、運営が同席しているかを先に確かめます。Coeliaではひとり参加を歓迎し、運営が全回に入っています。
上京したばかりで知り合いがいなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。BIGLOBE調査では20代48.2%が会社以外のつながりがまったくないと答えています。参加条件は20代であることだけで、上京年数や同伴者の有無は条件になりません。




