土曜の午前、カーテン越しの日差しが白い。冷たい麦茶を一口飲んで、スマホで「社会人サークル 東京 20代」を検索します。3サイトを開いて、比較表を更新します。行数は28。就活のES提出数を超えました。なのに、どこにも行っていません。
Coelia代表・小幡十矛が、なぜCoeliaを作ったのかを書いています。なぜCoeliaを作ったのか
愛知から去年の春、就活で上京した23歳の話です。同期とはランチします。休日に誘える相手は、まだいません。社会人サークルを探しています。3ヶ月、毎週末、比較表だけが育っていました。
ある金曜、同期に「最近どう?」と聞かれた。口から出たのは「週末はサークル research」でした。……research、週末の予定じゃないでしょ、自分。
比較表28行の土曜午前、選んでいるのにどこにも行っていません
探し方は丁寧でした。開催頻度、参加人数、ひとり参加OKの有無、口コミらしきもの、写真の雰囲気。Excelにまとめた。シート名は「第1志望」、「第2志望」、「様子見」。就活のときより整理されています。
冷蔵庫には「いつか使う」調味料が12本あります。サークルのブックマークも同じ棚に並んでいます。いつか使う予定は、いつも来週。
比較表の「ひとり参加OK」列だけが緑色。他の列は、だいたい黄色か赤。行を増やすたび、行かない理由も1行増えます。3ヶ月選んだ結果、増えたのは行数だけ。……選び方のプロ、自分。
趣味一致100%だけ残した3ヶ月、顔なじみはゼロのまま
当時の私が口にしていたのは、趣味が合う社会人サークルを見つけてから行く、ということでした。ダーツならダーツ、ボードゲームならボードゲーム。合わない場所に行くのは時間の無駄です、と思っていました。
これ、初デート前に相性診断で100点の人だけ会うのと同じ配置です。100点の相手が見つかるまで、誰とも会いません。サークル選びを恋愛の最終面接にしています。
趣味が100%一致するサークルだけ残すと、候補は3つから1つになります。1つは先月満席。1つは駅から40分。残り1つは、口コミが読みにくい。100%を求めるほど、0%に近づきます。
地元の友達のInstagramには、同じメンバーで何度も写っている写真が流れてきます。あれは、趣味が100%合ったから撮れているのではありません。何度も同じ場所にいたから、写っています。
ミッドポイント:欲しかったのは、ダーツLv3の友達じゃありませんでした
転機は小さかった。比較表の28行目を消す前に、自分に聞いました。欲しいのは、完璧な社会人サークルですか?
答えは、はい、でした。当時の私の採点基準では、趣味・人数・雰囲気・駅距離・参加費の全部が80点以上でないと不合格。不合格なら行きません。行かないから、顔なじみは増えません。完璧なサークルを探すほど、サークルには入れません。
ここで気づいました。欲しかったのは、ダーツLv3の友達ではありませんでした。名前で呼ばれる回数でした。2回目に「前も来てた?」と言われる距離。連絡先を交換しなくても、同じ場所で顔を合わせられる相手。職場でも家でもない場所の時間がなぜ効くのかは、利害関係のない関係が余白をつくるにまとめています。
選ぶ順番を書き換えた。趣味100%から、月1回、同じ顔ぶれに会えますへ。1回会ったら、その日は合格。翌月また来ればいい。顔なじみは探すものではなく、同じ場所に置いていくものです、と。
趣味不問のイベントへ行ったら、2回目に呼ばれた
比較表を閉じて、1つだけ確かめた。日時と場所と当日の流れが先に決まっているか。ひとり参加が前提になっているか。同じ顔ぶれに2回目に会えそうな頻度があるか。
1回目は、ダーツもボードゲームも得意ではありませんでした。運営の人が進行してくれたので、手を動かしているうちに時間が過ぎた。帰り道、深い話はしていません。連絡先も交換していません。それでも、その日は合格でした。
2回目、別の会に行きました。入口は違りました。顔は2人、前に会った人でした。「前も来てた?」と言われた。その一言で、28行の比較表より近い距離になりました。
趣味は100%合っていませんでした。それでも、顔なじみは先に増えていました。
選ぶ順番を逆にする|顔なじみが先、趣味マッチは後
社会人サークルを探す前に、順番だけ覚えておいてください。選び方のリストは、下の表の順で確認します。
| 順番 | 見る項目 | 1回目で確かめること |
|---|---|---|
| 1 | 同じ顔ぶれに2回目に会える頻度 | 月1回以上、同じメンバーに会えそうか |
| 2 | ひとり参加の設計 | 1人で来る人が多いイベントか、運営が同席しているか |
| 3 | 趣味の一致 | 2回目以降に深掘りすればよい |
入口が複数ある場所なら、1回目と2回目で違う会に行っても、同じ顔ぶれに会えます。趣味の一致は、3回目以降の話で十分です。
関連記事:東京の社会人サークルを4つの軸で比べる方法、東京の20代が社会人サークルを選ぶ7つの基準、7つの基準で比べても決まらなかったときの決め方、友達が欲しいのに増やせない20代が、最初の1回を踏めない理由。
顔なじみが先に増えるとき、先に押さえる3点
「顔なじみ 先に増える」「社会人サークル 探し方」で検索してきた場合、止まるのは候補の少なさより、趣味が100%合う場を見つけてから行こうとしていることが多いです。ここまで読む前に、見方の型だけ先にまとめます。
- 重い理由:比較表を増やすほど、行かない理由も1行ずつ増える
- 置き換え:選ぶ順番を逆にする。同じ顔ぶれに2回目に会える頻度を、趣味の一致より先に置く
- 具体案:比較表を閉じて、月1回行けそうな回が1つあるかイベント一覧で確かめる(登録不要)
比較表が増えるだけの週末の話は7つの基準で比べても決まらなかったときの決め方にまとめています。
よくある質問
趣味が合わない社会人サークルに行くのは時間の無駄ですか?
1回目を趣味100%の審査にしない限り、無駄になりません。顔なじみは趣味の前に増えます。2回目に「前も来てた?」と言われる距離が先に来るので、最初の1回は「同じ顔ぶれに2回目に会えそうか」だけを見てください。
社会人サークルが決められないのは、慎重すぎるからですか?
慎重すぎるというより、選ぶ順番が逆です。趣味一致100%を先に置くと、比較表が増えるほど行かない理由も増えます。順番を逆にすると、最初の1回を踏めます。
顔なじみはどうやって増やしますか?
探すより、同じ場所に置いていきます。月1回行ける場所を1つ持ち、2回目に同じ顔ぶれに会える頻度があるかを先に見てください。入口が複数ある場所なら、別の会で2回目に会えます。
ひとりで社会人サークルに参加しても浮きませんか?
ひとり参加を歓迎している場なら、1人で来る人が多い設計です。運営が同席している場なら、入り方に迷ったときその場で相談できます。20代限定の場なら、年齢で浮く心配はありません。
比較表を作りすぎています。どうすれば動けますか?
比較表を閉じて、月1回行けそうな回が1つあるかだけ確かめてほしい。登録は不要です。同じ顔ぶれに2回目に会えそうか。ひとり参加が前提か。この2つだけ見れば、最初の1回は見るだけから始められます。




