明日の飲み会が気になって、いま上座と下座を調べているところです。先に結論だけ渡します。席をひとつ間違えたことを、幹事は翌日まで覚えていません。Coeliaの企画飲みを運営している側から見て翌日まで残るのは、遅刻の連絡があったかどうかと、会話の合間にスマホを伏せていたかどうかのほうです。
Coelia代表・小幡十矛が、なぜCoeliaを作ったのかを書いています。なぜCoeliaを作ったのか
とはいえ、当日その場で迷いたくない気持ちのほうが先に来ます。座る位置は図で見れば10秒で終わるので、まず図から置きます。そのあとに乾杯・お酌・会話、飲めないときやこぼしたときの動き方まで続けます。
図で見る上座・下座|テーブル席・座敷・カウンター・円卓
席次のもとになる考え方はひとつだけです。入り口から遠いほど上座、近いほど下座。店員の行き来やドアの開け閉めから離れた席ほど落ち着いて過ごせるので、そこに目上の方やお客様に座っていただきます。店の形が変わっても、この一本で読み替えられます。
この図のとおりに座れなくても問題は起きません。店の造りや会社の慣習で席次は変わりますし、先に「どこに座ればよいですか」と聞いた人のほうが、幹事にとっては動かしやすい相手です。黙って座ってしまうほうが、あとから直すぶんだけ手間が増えます。
席が先に決まっていること自体が気の重さにつながる日もあります。忘年会が気重いのは飲み会が苦手だからとは限らない、という話は忘年会に行きたくないのは性格の話ではありませんにまとめています。
乾杯・お酌・注文|覚えるのは3つだけ
席に着いたあとの作法は、細かく分けると切りがありません。当日ぶんとしては次の3つで足ります。
- 乾杯:目上の方のグラスより少しだけ低い位置で合わせる。中身は一口で構いません。数センチの差より、合わせようとしている動きのほうが相手に届きます
- お酌:義務ではありません。相手のグラスが空きかけているのに気づいたら「注ぎましょうか」と一言。注いで回る必要はありません
- 注文:自分の好きなものだけでなく、取り分けやすい料理を1皿混ぜる。「これ美味しそうですね」と言いながら頼めば、それだけで会話が弾みます
3つのうち迷いやすいのはお酌です。飲めない人・飲まない人に勧めないことも同じ配慮なので、注ぐか注がないかではなく、相手が困っていないかを見ると考えると判断が早くなります。
乾杯や締めの挨拶を任されそうな日は、順番と例文をまとめた飲み会の締めの挨拶・挨拶の順番も先に開いておくと安心です。
会話・遅刻・会費|迷ったときの動き方
会話は、盛り上げようと頑張るより、相づちとひとつの質問で足ります。知らない話題が出たら「それってどういうことですか」と聞くだけで、相手は続きを話せます。逆に、スマートフォンを見続ける時間が長いと、話しかけていいのか周りが判断できなくなります。
遅れそうだと分かった時点で、着く前に幹事へ連絡を入れます。到着したら会話の切れ目に静かに座り、落ち着いたところで短くお詫びを伝えれば十分です。会費は、崩したお金を財布の取り出しやすい場所へ入れておくと、幹事の会計がそのぶん早く終わります。
途中で抜ける予定がある日は、着いたときに退出時刻を先に伝えておきます。進行の組み方が変わるので、幹事にとっては当日いちばんありがたい情報です(切り出し方は飲み会を途中で帰る記事に例文があります)。
飲めない・こぼした・多めに払ってもらった|その場のリカバリー
当日その場で助かるのは、マナー本に載っている決まり文句より困ったときの具体的な動き方のほうです。運営として現場で見てきた5つの場面を、その場の一言と次の動きに分けました。
| 場面 | その場の一言 | 次の動き |
|---|---|---|
| お酒が飲めない | 体質的に弱いので、ソフトドリンクでご一緒させてください | 乾杯はグラスを持って参加する。理由を長く説明しない |
| グラスを倒した・こぼした | すみません、拭くものをもらってきます | まず隣の人にかかっていないか見て、自分で店員へ声をかけに立つ |
| 上司が多めに払ってくれた | ごちそうさまでした、ありがとうございます | 店を出たところで一度、翌朝に会ったときにもう一度短く伝える |
| 話しかけられず黙ってしまった | これ、取りますか | 取り分けや飲み物の追加など、動作から入ると会話が始まる |
| 二次会を断りたい | 明日の朝いちで打ち合わせがあるので、今日はここで失礼します | 断る理由とお礼をひと続きで言う。あいまいに濁さない |
こぼしたときにいちばん見られているのは、拭き方ではなく最初に誰を見たかです。自分の服より先に隣の人を見た動きは、その場にいた全員が覚えています。
幹事が翌日まで覚えているのは、席順ではない
Coeliaでは20代限定のイベントを続けていて、企画飲みでは運営が幹事役に入ります。その位置から見ると、翌日まで記憶に残るのは作法の正しさではありませんでした。残るのは、事前に一言あったかどうかと、隣の人が黙っていることに気づけていたかどうかです。
| 場面 | 一言で覚えること | 幹事の側から見た実際 |
|---|---|---|
| 座席 | 迷ったら座る前に一言 | 席を間違えても、先に聞いていた人のほうが動かしやすい |
| 乾杯 | 高さだけ意識すれば足りる | 数センチの差より、合わせようとしている動きのほうが見えている |
| お酌・注文 | 勧めない・無理に注がない | 飲まない選択を広げられる人がいると、卓全体が楽になる |
| 会話 | 盛り上げなくてよい | スマホを伏せて相づちを打っている人は、席替えのときに頼りにされる |
| 遅刻・会費 | 連絡は着く前、会費は崩しておく | この2つは、翌日まで覚えている数少ない項目に入る |
つまり、当日いちばん確実な一手は暗記ではなく確認です。作法を思い出せないときほど、幹事に聞いたほうが早く終わります。
会社の飲み会は、気を使うことも仕事のうち
ここまでのマナーや手順は、上下関係のある飲み会を円滑に進めるためのものです。新入社員歓迎会でも忘年会でも歓送迎会でも、そのまま使えます。同時に、会社の飲み会は気を使うことまで含めて仕事の続きでもあります。席次を確かめ、グラスの減りを見て、話の輪から外れている人を気にする。帰り道でどっと疲れるのは、それを全部やっていたからです。
そのうえで思い出しておきたいのは、飲み会がすべてそういう席ではないことです。初対面同士が集まる交流イベントでは、上下関係の作法より、会話のきっかけづくりと一人にしない気配りのほうが優先されます。どちらが正しいという話ではなく、集まりの目的が違えば配慮の向け先も変わるだけです。
作法に気を張った日の帰り道に、もうひとつの選択肢を
Coeliaは、東京で20代がひとり参加でも自然につながれる社会人コミュニティです。企画飲みでは、上座下座やお酌の順番を気にする場面はほとんどありません。代わりに置いてあるのは、はじめましてカードと話題サイコロで、初対面同士でも会話のきっかけに困らないようにしています。
運営が常駐しているので、進行に迷ったときも、しつこい声かけが気になったときも、その場で相談できます。参加する人をお客様として迎えるのではなく、一緒にイベントを主催する側として見ているのも、会社の飲み会との違いです。
会社の飲み会で作法に気を張ることが多い人ほど、こうした集まりでは肩の力を抜けるはずです。ひとり参加も初参加も歓迎しているので、作法より会話から始めたい日の行き先として、頭の片隅に置いてみてください。
よくある質問
飲み会の上座がどこか迷うときはどうすればいいですか?
座る前に幹事や先輩へ一言確認するのがいちばん確実です。席次は店の造りや会社の慣習によって変わるので、聞くこと自体が配慮として受け取られます。基本は入り口から遠いほど上座、近いほど下座です。
お酒が飲めないときは、どう伝えれば角が立ちませんか?
体質的に弱いのでソフトドリンクでご一緒させてください、と最初に伝えるのが早いです。理由を長く説明するほど相手も返しづらくなるので、一文で切り上げて乾杯にはグラスを持って参加します。
お酌は必ずしないといけませんか?
必須ではありません。相手のグラスが空になりかけていることに気づいたときに、ひとこと声をかける程度で十分です。無理に注いで回る必要はなく、自然なタイミングで気づいたら、で十分に伝わります。
飲み会に遅刻しそうなときはどうすればいいですか?
遅れそうだと気づいた時点で、早めに幹事へ一言連絡を入れておくと安心です。到着したら会話の合間を見て静かに席に着き、落ち着いたタイミングで軽く挨拶をすれば十分です。
会費はどう渡せばいいですか?
幹事から声がかかったタイミングで、あらかじめ崩したお金を用意しておくとスムーズです。お札のままより、小銭を含めてぴったり用意しておくと、幹事の会計の手間を減らせます。
上司が多めに払ってくれたときのお礼は、いつ伝えますか?
会計の場ではなく、店を出たところで一度伝えます。ごちそうさまでした、ありがとうございます、の二文で足ります。翌朝に社内で会ったときにもう一度短く触れると、受け取った側にきちんと届きます。
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まとめ
上座下座は、入り口から遠いほど上座という一本で読み替えられます。乾杯はグラスの高さだけ、お酌は気づいたときだけ、会話は相づちと質問ひとつ。飲めない日やこぼした日の一言まで用意しておけば、当日その場で考えることはほとんど残りません。
そのうえで、気を張らずに話せるコミュニティが別にあると、会社の飲み会の重さも少し変わります。次の飲み会の帰り道に、どちらの環境が自分に必要なのかを考えてみてください。




