社会人3年目の年末、地元に帰りました。友達に会う前の日にやったのは、話すことの用意です。
新幹線の中で開いたのは、写真フォルダ。9月までさかのぼって、見せられられる写真を探していました。東京で行ったカフェの名前も、2、2つ思い出しておきました。どれから話すか、順、順番まで決めておきました。
そして、探し当てた写真に写っていたのは、自分だけ。
次の日、「東京どう?」と聞かれました。出てきたのは「んー、楽しいよ」。用意したカフェの名前は、1つも使っていません。使えば、ひとりで行った話になるからです。
Coelia代表の小幡十矛です。石川県から東京に出てきました。この年末のあと、自分は社交性が落ちたのだと思っていました。その考えが違っていたことに気づくまで、しばらくかかります。
Coelia代表・小幡十矛が、なぜCoeliaを作ったのかを書いています。なぜCoeliaを作ったのか
東京へ戻って、まず自分を直そうとしました
年末が終わって東京へ戻ってから、しばらく自分の性格を直そうとしていました。もっと話しかけられる人になろう、初対面で沈黙を作らないようにしよう。リアクションは、初売りの店員さんくらい大きくしました。
交流会にも行きました。その日はきちんと話せます。連絡先も交換します。そのうちの何人と次の週に連絡を取ったかというと、ゼロです。次の週には、また会社と家の往復に戻っていました。増えていくのはスマホの連絡先だけです。財布の中で一度も使わないポイントカードみたいに。
そのころ考えていたのは、自分の何かが足りませんということでした。地元では友達がいたのに、東京ではできません。変わったのは自分だから、原因も自分にあります。そう考えるのが自然でした。
地元の友達とは、友達になろうとして会ったことが一度もありませんでした
地元の友達からLINEが来た日、返信しながら、この子といつ友達になったんだっけと考えた。ところが、その日が出てきません。
席が近かった。部活が同じでした。帰り道が途中まで一緒でした。そのうち名前で呼ぶようになっていて、気づいたら友達でした。友達になろうとして会った日が、1日もありません。思い出せるのは席替えの日と部活の初日だけで、どちらも、こちらが決めた日ではありません。
つまり、こういうことでした。自分は友達の作り方を忘れたのではなく、一度も使ったことがありませんでしたのです。学校には、同じ人と毎日顔を合わせる条件が、こちらが何もしなくても用意されていました。上京して消えたのは、その条件のほうです。
性格は持ってきています。消えたのは環境のほうでした。
これが自分だけの話ではないことを、数字で確かめた
自分の思い込みだと嫌なので、調べました。そのころ思っていたのは、友達の作り方の説明書を無くしたのは自分だけですということです。働いている人に聞いた調査(クロス・マーケティング「人間関係に関する調査」2025年1月)では、友人がいないと答えた人が30%でした(親友までいないと答えた人は53%)。
働いている人の3割が、いまは友人がいないと答えています。10人でランチに行ったら、そのうち3人です。その人たちが全員、性格に問題があるとは思えません。3割が同じものを無くしているなら、それは無くしたのではなく、最初から配られていなかったということです。学校を出たあとに同じ条件が消えるところまでは、みんな同じ。
分かれるのはそのあとです。分けているのは性格ではなく、消えた条件を用意し直す機会があったかどうかでした。自分は、しばらくそれを知りませんでした。
学校が用意してくれていたものを、書き出してみます
何が消えたのかをはっきりさせるために、学生時代と社会人で条件を並べた。
| 条件 | 学生時代 | 社会人になってから |
|---|---|---|
| 同じ人と会う回数 | 毎日・自動 | 会社の人以外はゼロ |
| 会う理由 | 用意されている(授業・部活) | 自分で作ります |
| 話す中身 | その日あったことで足ります | 初対面用の話題を用意します |
| 関係が育つ時間 | 数年 | 数時間(1回きりで終わる) |
| 休んだとき | 次の日に会えます | 次がありません |
並べてみると、性格の欄がありません。消えたものは全部、回数と理由の側でした。学校は、友達ができる条件を毎日そろえて、実家のごはんみたいに勝手に出してくれます。卒業の日に、こちらが何も言っていないのに出てこなくなっただけです。
やめたことと、代わりに置いたこと
気づいてから、先にやめたことがあります。初対面の日に仲良くなろうとするのをやめた。学校でも初日に友達になっていないので、1回で決めようとするほうが無理をしています。
社交的になる練習もやめました。上手くなってから行こうとすると、準備が終わるより先に、次の年末が来ます。それに、地元でうまくやれていた自分は、練習を1日もしていません。
代わりに置いたのは1つだけです。同じ人と何度か会える場所を、東京に1つ持つこと。その場でうまく話せたかどうかは、いったん置きました。次に会う機会があるなら、その日に全部やらなくて済みます。
ひとりで行くのが不安なら、運営が同席している場所を選んでください。入り方に迷ったときは、その場で運営へ相談できます。会社の同期とうまくいっている場合も、会社の中では役割が先に決まっているので、休日に誘う相手としては動きにくくなりがちです。会社の外にもう1つあると、片方が忙しい時期でも会う相手が残ります。
会の選び方そのものは別の記事に書きました。当日に黙る時間が長くなるかどうかは案内文から読めます(はじめましての飲み会が気まずいのは、進行のせいです)。週末の予定が洗濯だけで止まっている感覚から入るなら、こちらも近い話です(土曜の予定が白すぎて、カレンダーが北極でした)。
次の年末に、話が変わっていました
次の年末も地元に帰りました。今度は、話すことを用意していきません。
「東京どう?」と聞かれて出てきたのは、先週やったことでした。その話には、自分以外の人が出てきました。名前は出していません。それでも「一緒に行った人がいる」という前提で話せます。前の年との違いは、そこです。
欲しかったのは、東京は楽しいと即答できる自分でした。手に入ったのは少し違って、先週の話をそのまま話せる状態です。答えを用意しなくてよくなったので、用意した答えが使えなかった年よりずっと楽でした。
いまも社交的ではありません。ただ、話に人が出てくるようになりました。変えたのは自分ではなく、会う回数のほうです。
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大人の友達の作り方がわからないとき、先に押さえる3点
「大人 友達の作り方 わからない」「社会人 友達 作り方 わからない」で検索してきた場合、止まるのはやり方より、社交性を直そうとして同じ人と何度か会える場所を持たないことです。ここまで読む前に、見方の型だけ先にまとめます。
- 重い理由:性格や話す力を直そうとし、学校が配っていた「同じ人と毎日会う条件」を見ない
- 置き換え:社交性の問題より、同じ人と何度か会える場所を1つ持つ
- 具体案:イベント一覧で同じような回が続いているか1つ見る(登録不要)
週末の予定が洗濯だけで止まっている感覚から入るなら土曜の予定が白すぎて、カレンダーが北極でしたも近い話です。
よくある質問
人見知りでも大丈夫ですか。話すのが得意ではありません。
大丈夫です。学生時代の友達とも、初日から話せていたわけではないと思う。同じ人と何度か会えるなら、その日に全部話さなくて済みます。得意になってから行く必要はありません。
1回行っただけでは友達はできませんか?
1回で決まらないほうが普通です。学校でも、初日に友達になった人は少ないはずです。同じ場所に何度か行けるかどうかで見てください。1回目は「次があるかどうか」を確かめる日で足ります。
会社の同期がいれば、それで十分ではないですか?
同期とうまくいっているなら、それは大事な関係です。ただ、会社の中では役割が先に決まっているので、休日に誘う相手としては動きにくいことがあります。会社の外にもう1つあると、片方が忙しい時期でも会う相手が残ります。
ひとりで行っても浮きませんか?
ひとりでの参加を歓迎しています。運営が同席しているので、入り方に迷ったらその場で声をかけてください。輪に入りづらいときも相談できます。
地方出身でなくても当てはまりますか?
当てはまります。学校を出ると、同じ人と毎日顔を合わせる条件は誰の場合も消えます。上京している場合は、地元の友達とも会いにくくなるぶん、その変化が早く来るだけです。
どんな場所を選べばいいですか?
同じ顔ぶれに何度か会えるところを選んでください。単発の大きな会よりも、定期的にやっていて、運営が続けている場所のほうが2回目に行きやすくなります。習い事や趣味から探すなら、大人の習い事の一覧から候補を絞るのも近道です。女性目線で趣味の場から始めたいときは、社会人女性の友達づくりは、趣味の場から始めると続きやすい理由に別の切り口をまとめています。
上京していなくても、この話は当てはまりますか?
当てはまることがあります。学校が終わって、通学路と部活が同時に無くなったところは同じです。実家に住んでいても、休みの日に外へ出る理由だけは自分で作ることになります。




