入社して数ヶ月、金曜の夜は同期と飲んで終電で帰り、土曜は昼まで寝て洗濯をして、日曜の夜に月曜のことを考えます。会社の外の集まりの案内を開いたことは何度かありました。開いて、そのまま閉じていました。いまの職場は悪くないので、行く理由が思いつきませんでしたからです。
こんにちは。Coelia代表の小幡十矛です。2021年に石川県から東京へ出てきて、会社の外の人と会いはじめたのは社会人3年目でした。1年目と2年目は動いていません。いま20代が集まるイベントやコミュニティを運営している人間が、「会社の外に出るのが遅れた」話を書く。
Coelia代表・小幡十矛が、なぜCoeliaを作ったのかを書いています。なぜCoeliaを作ったのか
会社の外に出るのは、会社で満たされていない人がやることだと思っていました
1年目の僕は、同期との出会いに恵まれていました。配属先の空気も合っていて、仕事の相談ができる先輩もいました。だから会社の外の集まりを見ても、自分に向けられたものだと思えませんでした。そこへ行くのは、いまの職場で困っている人だろいますと考えていたからです。
この記事に人間関係という言葉で来たなら、逆の側から同じ結論に立っています。職場がしんどいから外に行きたい、あるいは、職場をなんとかするのが先です、と。当時の僕とは向きが逆ですが、置いている前提は同じです。会社の外に出るかどうかは、職場の調子で決まる、という前提です。
そのうえで、誰にも言っていなかったことがあります。せっかく居心地のいい場所を手に入れたのに、外へ出て、そこで何者でもなかったら、いまの居心地まで自分の中で目減りする気がしていました。学生のころは、授業もサークルもバイトも地元も同時にあって、どれか1つが合わなくても平気でした。就職して、それが1つになりました。1つになった瞬間、僕はそれを増やす側ではなく、守る側へ動いていました。
詰まっていたのは職場の人間関係ではなく、比べる相手が会社しかなかったこと
3年目に外の人と会いはじめて、最初に起きたのは「こんな仕事があるんです」という発見でした。狙っていたのは視野を広げることだったので、そこは想定どおりです。想定していなかったのは、そのあとに起きたほうでした。
会社で気まずいことがあった週に、外の会へ行く。そこでは自分がどの部署の何年目かは誰も知りません。帰り道に、その週の気まずさが小さくなっていることに気づきました。何かが解決したわけではなく、その出来事が占めていた面積が変わりましただけです。
それで分かりました。1年目にしんどい日がしんどかったのは、職場の人間関係が悪かったからではありません。平日の起きている時間のほとんどが、同じ1つの場所に集まっていたからです。通勤と住まいの動線に、名前を覚え合うコミュニティが会社しかありません。その配置だと、そこで起きた1件が、その日の評価のほぼ全部になります。
だから僕がやめたのは努力ではありません。変えたのは見立てです。会社の中の評価だけでキャリアを考えるのをやめて、自分が頑張る理由を軸に組み立てるようになりました。外のコミュニティを「満たされていない人が行くところ」と見るのもやめました。順番が逆でした。外に1つ持ったから職場が軽くなったのであって、職場が軽くなってから外に出たのではありません。
読む人がやることは1つだけ
居場所の数の話なので、必要なのは会話の技術ではなく、行き先を1つ増やすことだけです。
- その日にやることが決まっている会を選ぶ:ダーツ、フットサル、もくもく会、食事の会のように、当日の動作が決まっている回です。やることがあると、話題を用意しなくても時間が進みます。
- 1回だけ予定に入れる:続けるかどうかは行ってから決めて構いません。最初に決めるのは1回ぶんだけです。
- 案内に当日の流れと相談先が書いてあるかを見る:集合の目印、進行の順番、困ったときに誰へ言えばいいか。書いていなければ、申し込む前に一言聞く。返事があいまいなら、別の回にします。
| やらなくていいこと | 理由 |
|---|---|
| 職場の人間関係を先に整えてから外へ出ます | 順番が逆。外に1つあると、職場の出来事の面積が変わる |
| 行く理由や目的をはっきりさせてから申し込みます | 行き先が1つ増えること自体が用件になります |
| 話す内容を用意していきます | その日の動作が決まっている会なら、進行が会話を運びます |
| 続けられるかを先に考えます | 決めるのは1回ぶん。合うかどうかは行ってから分かる |
イベントの選び方をもう少し細かく見るなら社会人サークルが決められないときの見方、当日の会話が心配なら交流会の話題準備をやめた話が続きになります。
これが僕ひとりの事情かどうかを、調査で確かめた
ここからは、この置き方が僕ひとりの癖ではないという裏づけです。NEWONE「2026年卒新入社員意識調査」は、2026年4月1日から4月30日に、47社の2026年新卒入社者1,965人へ研修後に聞いたものです。
| 項目 | 前向きに働くために必要 | 配属後の不安 |
|---|---|---|
| 職場の人間関係がうまくいくか | 71.6%(1位) | 65.4%(1位) |
| 成長を実感できるか | 43.8% | — |
| 将来のキャリアイメージが持てるか | 42.6% | 30.4% |
読みどころは順位ではなく、期待の1位と不安の1位が同じ項目だということです。前向きに働けるかどうかも、配属後に怖いことも、どちらも職場の人間関係に集まっています。2位以下とは20ポイント以上離れています。
つまり、多くの人が働くうえでの良し悪しを1つの変数に預けた状態で社会人を始めます。その変数が良く出れば僕のように動かなくなり、悪く出れば逃げ場が無くなります。どちらの向きでも、居場所が1つという配置は変わりません。
この調査は新入社員に聞いたもので、会社の外にコミュニティを持っている人と持っていない人を比べたものではありません。会社以外の居場所が職場の満足度を変えるかどうかは、この調査からは分かりません。それでも、期待も不安も同じ1点に集まっていることは、この数字で言えます。
視野を広げに行ったのに、変わったのは会社での過ごし方でした
会社の人間関係のために、会社の中で頑張らなくて構いません。行き先を1つ増やすほうが、その日にやることは少なくて済みます。
僕が探していたのは、東京でいろいろな人に会って視野を広げることでした。視野は広がった。ただ、変わったのは会社での過ごし方です。視野の広さそのものではありません。外に1つ持ってから、会社での出来事を持ち帰る量が減りました。人間関係が良くなったのではなく、1件あたりの重さが変わっただけです。
居場所が1つしかないと、そこで起きたことが、その日の自分の全部になります。2つあれば、片方で起きたことは、その日の半分です。増やすのは、まず1つで足ります。
この記事の次に読むと決めやすいもの
社会人1年目で会社以外の人間関係を調べるとき、先に押さえる3点
「社会人1年目 会社以外 人間関係」「新社会人 会社の外 つながり」で検索してきた場合、止まるのは必要性より、職場がうまくいっているから外に出ず、居場所が1つしかないことです。ここまで読む前に、見方の型だけ先にまとめます。
- 重い理由:職場の代わりを探そうとし、判断の基準をもう1つ持とうとしない
- 置き換え:逃げるためより、居場所を1つ増やしてその日の全部を1か所にしない
- 具体案:会社の外で同じような回が続いているイベントを1つ見る(登録不要)
サークルが決められないときの見方は申し込む前に見るのは1つだけです。
よくある質問
社会人1年目で会社以外の人間関係は必要ですか?
職場がつらいかどうかとは別に、持っておくと働き方の判断がしやすくなります。NEWONE「2026年卒新入社員意識調査」では、前向きに働くために必要な要素の1位が職場の人間関係で71.6%、配属後の不安の1位も同じ項目で65.4%でした。期待も不安も同じ1つに集まるので、比べる相手が会社しかない状態になりやすくなります。
職場の人間関係がうまくいっていても、会社の外に出る意味はありますか?
あります。うまくいっているときほど、その1つを基準にして物事を決めるようになります。僕がそうでした。外に場が1つあると、職場で起きたことが自分の全部ではなくなります。
会社の外の交流会に行くのは、職場から逃げていることになりませんか?
なりません。参加している人の事情はさまざまで、職場に不満があるかどうかとは無関係です。会社の外の場は職場の代わりではなく、行き先をもう1つ持つための場所です。
社会人1年目は仕事を覚えるのが先ではないですか?
仕事を覚えることと、月に1回どこかへ行くことは同時にできます。変わるのは時間の量ではなく配置のほうで、平日の起きている時間のほとんどが同じ場所に集まっていることです。始めるなら、その日にやることが決まっている会が短時間で終わります。
会社以外の場は、どこから探せばよいですか?
その日にやることが決まっている会から探すと、話題を用意せずに参加できます。会場、時間、当日の流れ、困ったときの相談先が案内に書いてあるかを見て、書いていなければ申し込む前に一言聞く。
Coeliaはどんな人が参加していますか?
東京で働く20代限定で、ひとり参加の人が多く参加しています。運営が全ての回に入って橋渡しをするので、話す相手を自分で見つけ続ける必要はありません。




