3つ目の社会人サークルの帰り道、終電の車内でスマホを開いたら、通知欄に仕事のグループしかありませんでした。エアコンが効きすぎた会場の余韻が、指先だけ冷たい。窓に映る自分の顔と、Instagramに流れてきた地元の友達の集合写真が重なって、画面を伏せた。
Coelia代表・小幡十矛が、なぜCoeliaを作ったのかを書いています。なぜCoeliaを作ったのか
愛知出身で、去年の春に上京した23歳の私の話です。同期とはランチします。休日に誘える相手は、まだいません。社会人サークルには行っています。楽しかった。帰り道に「また来てね」とも言われた。なのに、名前で呼んでもらえた回が、1回もありませんでした。
その週いちばん長い会話は、コンビニの「袋、いりません」の6文字でした。初参加の名札だけが増えているのに、連絡先は増えません。……推し活のチェキみたいなもんだと、帰り道で気づいました。
起:ポータルサイトのブックマークが、右スワイプ100件の村になりました
上京して2か月目、私がやっていたのは探すことだけでした。社会人サークルのポータルサイトを開いて、東京・20代・ひとり参加OK、と条件を入れます。良さそうな会を3枚開いて、日程を見て、申し込みます。
1つ目はボードゲーム。初参加の名札に、ペンで名前を書いました。自己紹介は30秒。ゲームは楽しかった。帰り道、「また来てね」と言われた。……一瞬、コンビニ店員の「またお越しください」と同じ温度だと思いました。セルフツッコミが遅れた。
翌週、2つ目へ行きました。ダーツ。また初参加の名札。また30秒。また楽しかった。帰り道、また「また来てね」。ブックマークは12個になっていました。ポータルサイトの新着タブは、デートアプリで右スワイプだけ100件。会った人数はゼロ、に近い。
3つ目は飲み会系。ここも初参加。ここも名札。ここも楽しかった。帰り道、LINEを開いました。仕事のグループだけ。地元の友達の集合写真が、Storiesに上がっていました。
承:3つの社会人サークル=コンビニの新商品コーナー
振り返ると、3回とも初参加でした。毎回、新しい顔ばかり。毎回、自己紹介から始まります。毎回、帰り道に「楽しかった」と思う。毎回、翌週の予定は空のまま。
3つの社会人サークルは、コンビニの新商品コーナーみたいでした。毎回「おいしそう」なのに、冷蔵庫に並ぶのは賞味期限付きの自己紹介だけ。食べた記憶はあります。名前は覚えていません。
当時の私の結論は、まだ合うコミュニティに当たっていません、でした。合わなければ早めに辞めて、次へ行く。それが正解だと思っていました。1回目で合わなかったら、また同じ失敗をしている人だと思われたくありませんでした。
だから、次の週もまたポータルサイトを開いました。ポータルサイトは、毎回「新しい会」を並べる設計になっています。戻るボタンより、もっと見るボタンのほうが目立ちます。
ミッドポイント:増えていたのは友達ではなく、初参加コレクションでした
3つ目の帰り道、私は気づいました。欲しかったのは、社会人サークルの数ではありませんでした。増えていたのは、初参加の名札と、「また来てね」の記録だけ。連絡先は、1件も増えていません。
ここで自分に聞いました。合う社会人サークルは、探して当たりを引くまで試し続けるもの?
当時の私の答えは、はい、でした。だから毎週、ちがう場所へ行きました。ちがう場所へ行くほど、どのサークルにも名前が残りません。名前が残らないから、また探す。探すほど、初参加コレクションが増えます。探し続けるほど、友達は遠ざかります。このループに、2か月の私はハマっていました。
欲しかったのは、リストの長さではありませんでした。休日に、名前で呼んでもらえる予定が1つあることでした。地元の友達の集合写真に写っているのは、試した回数ではなく、同じ場所に戻った回数の証拠です。
転:友達は探して見つかるものではなく、戻った回数の横に置いていくもの
合うコミュニティを探すために、毎回ちがうサークルへ行っていました。それが間違いでした。1回目にできるのは初対面までで、名前で呼ばれるのは同じ場所へ戻った2回目以降に起きやすい配置です。試した回数より、戻った回数のほうが先。
1回目が合わなくても、同じ主催者の次の回へ戻ると、入口で名前を呼ばれたり、前回の話の続きから始まったりしやすい。探す回数を増やすより、戻る回数を増やすほうが先です。
| 項目 | 探し続ける(旧・私のやり方) | 戻る(新・私のやり方) |
|---|---|---|
| 1回目の役割 | 合否を決めて次へ | 初対面まで。合否にしない |
| 2回目の役割 | また別の初参加 | 名前で呼ばれる入口 |
| 増えるもの | 初参加コレクション | 戻った回数の横の名前 |
| 選ぶ前に見るもの | 趣味が合うか | 次の回が2つ並んでいるか |
やめたのは、1回目で合否を決めて次のサークルへ移ること。置いたのは、次の回が日付つきで並んでいる1つの場所へ戻ること。申し込む前に止まる話は、社会人サークルが決められないのは、選び方が足りないからじゃありませんでしたに近い。こちらは、選んだあとに毎回別の集まりへ行っていた、という側です。
根拠:これが私だけの話ではないことを、調査で確かめた
思い込みだと嫌なので調べた。内閣府「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」(2025年調査・調査期日2025年12月1日・有効回答11,873人)では、20〜29歳(946人)の42.0%が孤独感を「たまにある」以上と答えている(「しばしばある・常にある」5.5%+「時々ある」16.4%+「たまにある」20.1%)。
もう1本、つながりと面倒の調査があります。BIGLOBE「コロナ禍を経て、人とのつながりに関する意識調査」(2023年11月・20代から50代1,000人)では、20代の48.4%がつながりを増やしたいと答え、64.4%が人付き合いを面倒だと答えています。
| 設問 | 20代の割合 |
|---|---|
| 人とのつながりを増やしたい | 48.4% |
| 人付き合いが面倒 | 64.4% |
増やしたい気持ちと、面倒な気持ちは、どちらも20代にとって少数派ではありません。この2つは別々の設問なので、同じ人が両方を選んだかどうかまでは読み取れません。言えるのは、毎回ちがう場所へ行っているなら、珍しくありません、というところまでです。
目標の重さの話は、友達が欲しいのに増やせない20代が、「最初の1回」を踏めない理由に書いました。回数の話は、交流会に行っても友達ができませんが近い。選ぶ基準の整理は、社会人サークルの選び方(東京の20代向け7基準)を見てください。
結:イベント一覧で、次の回が2つ並んでいるかだけ見た
変えたのは、探す回数ではなく、戻る回数のほうでした。やったことは1つ。イベント一覧を開いて、同じ主催者の次の回とその次の回が、日付つきで並んでいるかだけ見た。登録はしませんでした。予約もしませんでした。見るだけ。
選ぶ基準も1つに絞りました。趣味が合うかより先に、次の回が並んでいるか。運営が同席している、20代限定、ひとり参加歓迎、この3つがそろっていると、1回目を合否にしなくて済みます。
2回目に同じ場所へ戻ったとき、入口で名前を呼ばれた。前回の話の続きから始まりました。友達リストは、その横に置いていくものだと、ようやく腹落ちしました。欲しかったのはサークルの数。手に入ったのは、戻った回数の横に置ける名前でした。
社会人サークルで友達が増えないとき、先に押さえる3点
「社会人サークル 友達 増えない」「社会人サークル 友達 できない」で検索してきた場合、止まるのは合う場所がないことより、毎回ちがうサークルへ行き、同じ場所へ戻る回数を増やさないことです。ここまで読む前に、見方の型だけ先にまとめます。
- 重い理由:1回目の合否だけで決め、次のサークルへ移り続ける
- 置き換え:探す回数より、同じ主催者の次の回が日付つきで並んでいるかを先に見る
- 具体案:イベント一覧で次の回2つが並んでいるかだけ確認する(登録不要)
交流会でも同じ配置の話は交流会に行っても友達ができない理由です。
よくある質問
社会人サークルに3回行っても友達が増えないのは普通ですか?
毎回ちがうサークルへ行っているなら、珍しくありません。1回目にできるのは初対面までで、名前で呼ばれるのは同じ場所へ戻った2回目以降に起きやすい配置です。試した回数より、同じ場所へ戻った回数のほうが先。
合わない社会人サークルは早めに辞めたほうがいいですか?
1回目だけで合否を決める必要はありません。合わなかった日に次のサークルへ移ると、どの場にも名前が残りません。同じ主催者の次の回が日付つきで並んでいるなら、1回目が合わなくても2回目へ戻る選択肢があります。
社会人サークルは探し続けるべきですか?
探す回数を増やすより、戻る回数を増やすほうが先です。申し込む前に見るのは1つ、同じ主催者の次の回とその次の回が、日付つきで並んでいるかどうか。
ひとり参加の社会人サークルでも名前で呼んでもらえますか?
1回目では難しいことが多い。2回目に同じ場所へ戻ると、入口で名前を呼ばれたり、前回の話の続きから始まったりしやすい。ひとり参加を歓迎している回なら、最初の5分の行動が1つ減ります。
東京で20代向けの社会人サークルを選ぶ基準は?
趣味が合うかより先に、同じ主催者の次の回が並んでいるかを見てほしい。運営が同席している、20代限定、ひとり参加歓迎、この3つがそろっていると、1回目を合否にしなくて済みます。
1回目が楽しかったのに連絡先が増えないのはなぜ?
1回目の会話は情報交換で終わりやすい配置です。連絡先より先に必要なのは、次に会う理由。同じ場所へ2回目に戻ると、前回会ったことが向こう側にも残りやすくなります。




