社会人サークルの飲み会が終わり、参加した人が帰りの電車で連絡先の一覧を開きました。交換した相手は4人。名前だけでは顔が浮かばない人も混じっていました。翌週になって最初に届いたメッセージは「今度いい勉強会があるんだけど」。交換した相手から届いた最初の連絡が勧誘だった、という話は、社会人サークルや交流会の感想としてよく出てきます。
だから初対面の集まりでは、聞く側にも聞かれる側にも緊張が走るわけです。交換していいのか、断ったら感じが悪いか、そもそも交換を禁止している集まりなのか。判断の材料が無いまま、当日の空気で決めることになりがちです。
コエリアリサーチャー 友達Aです。普段はCoeliaで参加者の満足度が高いイベント設計を担当し、心理学的な知見をもとに記事を書いています。この記事で書くのは、連絡先の交換で実際に起きているリスクと、Coeliaがそこへどう手を打っているかの2つです。
勧誘は、知り合いになった相手から届きます
国民生活センターに登録されたマルチ取引の相談は、2023年が5,158件、2024年が4,132件、2025年が4,003件でした(2026年5月31日までの登録分・国民生活センター「マルチ取引」)。件数は年々減っていますが、ゼロにはなっていません。相談の中身も変わってきました。投資や副業のノウハウ、暗号資産のような「モノがない」商材の相談が増えています。
同センターは2019年に、若者向けの注意喚起を出しました。勧誘の手口・きっかけとして挙げられているのは「SNSなどの手段を通じた接触」と「友人・知人からの紹介」です。街で知らない人に声をかけられて始まるのではなく、いったん知り合いになった相手から始まります。連絡先の交換は、勧誘する側にとって最初の一歩にあたる行為です。
交流イベントで起きるトラブルは、勧誘だけではありません。断ったのに連絡が続く、返信しないと責められる、運営が関わっていない別の集まりへ連れて行かれる。どれも、連絡先を渡したあとの出来事です。
断りにくさをつくるのは、相手ではなく状況です
国民生活センターが2019年に出した注意喚起は、「友だちから誘われても断れますか?」という題名でした。入口に置かれているのは、怪しい誘いを見抜けるかどうかではなく、断れるかどうかです。
断りにくさは、気の弱さから来るものではありません。相手がすでに知り合いになっていると、断る行為は誘いを断ることではなく、相手そのものを否定することに近づいて見える。まわりも連絡先を交換している雰囲気では、自分だけ断ると、その場の流れを止める側に回った気持ちになります。返事の期限を握っているのも誘った側で、持ち帰って考えると言うだけで、こちらが悪いような感覚が残る。断りにくさは、この3つが重なった状況から生まれるものです。
裏を返すと、鍛える必要があるのは断る勇気ではありません。重なっている3つを1つずつ外せば、断る場面そのものが軽くなる。
- その日のうちに決めきらない=連絡先を交換するかどうかも、届いた誘いに乗るかどうかも、持ち帰ってから決めていいものです。「いまは決められないので、また考えます」で足ります
- 断る理由を相手に置かない=相手の人柄を評価する言い方を避け、自分の予定や使い方(連絡先は職場と家族だけにしている、など)を理由にする
- 返事の期限は自分で決める=その場で答えるよう急かされたときは、急かされたこと自体を判断の材料にしてよい
持ち帰る、理由を自分に置く、期限を自分で決める。どれも、相手が誰であっても同じように使えるもの。ただし、3つを実際に使えるかどうかを左右するのは、その場が持っている条件です。
運営が見ていない場所ほど、リスクは大きくなります
同じ勧誘でも、起きやすい場所と起きにくい場所があります。参加者の顔ぶれを誰も把握していない集まりなら、勧誘する側は名前を出さずに入って、名前を出さずに抜けられる。運営が受付だけで会場からいなくなる集まりでは、何が話されているかを誰も見ていません。一度きりで解散する集まりだと、次に顔を合わせないので、強引に誘って困るのは誘われた側だけです。
逆の条件がそろっている集まりでは、勧誘は割に合わなくなります。参加者の条件がはっきりしていて、運営が最後まで同席していて、同じ人が何度も戻ってくる場所。誰が誘ったかが、運営にも参加者にも分かるからです。
| 場所の条件 | 勧誘する側から見た状況 | 参加者に起きること |
|---|---|---|
| 参加者の条件が無く、運営が同席しない | 名前を出さずに入って抜けられる | 交換した相手から勧誘が届いても、相談する先が無い |
| 参加者の条件があり、運営が最後まで同席する | 誰が誘ったかが運営に分かる | 気になる言動をその場で運営へ渡せる |
Coeliaでは、連絡先の交換そのものは自由です
Coeliaは、参加者同士が連絡先を交換することを禁止していません。当日その場で交換していただくのも、後日やり取りしていただくのも大丈夫です。話が合った相手と続きを話すのは、Coeliaが歓迎している交流のかたち。
Coeliaがお断りしているのは、交換そのものではなく、次の3つです。掲示・当日の案内・利用規約のどこでも、同じ3つで揃えています。
- 関与カテゴリ=反社会勢力、宗教団体・政治結社、マルチ商法・ネットワークビジネス等に関与されている方の参加をお断りしています
- 外部への誘導=運営が関わっていない外部のイベントやコミュニティへのお誘い・勧誘は禁止です。目的を告げずに連絡先を交換して別の集まりへ連れて行くことも含みます
- 言動=誹謗中傷や人格否定、参加者やコミュニティの悪口、威圧的な言動、差別的な発言もお断りします
相手が求めていない一方的な売り込みや押し付け、しつこい声かけ、過度なナンパも、内容を問わずお断りの対象。イベントには毎回、運営が参加者として入ります。受付だけで解散せず、最後まで参加者と一緒に過ごし、気になる言動があればその場で対応するところまでが運営の役目。
はっきりさせているのは、参加者の条件も同じです。対象は原則として20代で、年齢確認は参加者全員に行っています。20代限定という上限だけでなく、未成年でないかを確かめることも目的の1つ。申込みのときには本名(フルネーム)の入力をお願いしていて、身分証の提示は必要に応じてお願いすることもあります。
Coeliaから、マルチやネットワークビジネスへ誘うことはありません
運営の側から参加者を勧誘することもない決まりです。Coeliaがマルチ商法やネットワークビジネス、投資や副業の商材へ参加者を誘うことは、これまでも、これからもない。代表の小幡十矛は、反社会勢力・宗教団体・政治結社・マルチ商法・ネットワークビジネス等に関与している場合、Coeliaが提供するすべてのサービスの利用をお断りすると明言しています。お断りする側が同じ商売に関わっていないことが、前提です。
当日に別の商品やサービスを勧めることもありません。かかるのは参加費と、イベントによっては当日の飲食代です。金額は各イベントの詳細ページのとおり。
お誘いを受けたときや、気になる言動があったときは、その場でも後日でも運営に相談できます。伝え方は、公式LINEのトークで一言でも大丈夫です。運営はプライバシーに配慮しながら内容を確認し、必要に応じて対応します。
交換したくない日は、断って大丈夫です
連絡先の交換は自由で、応じる義務もない決まりです。断りづらいと感じたときや、断ったあとも連絡が続くときは、運営へ伝えてください。運営が内容を確認したうえで、必要に応じて対応する形です。
その日に交換しなかったとしても、話の続きは次の回に持ち越せます。同じイベントにもう一度申し込めば、前の回で話した相手とまた顔を合わせられる。急いで連絡先を集めるより、次に参加する回を1つ決めると、話の続きが生まれます。連絡先を急がない考え方は、連絡先の交換は急がなくていいにも書きました。参加する集まりを選ぶ段階の見分け方は、社会人サークルは危ない?の見分け方が詳しいです。
安心して連絡先を交換できるかどうかは、相手選びではなく、場所選びで決まります。初対面の相手を見抜く力は、鍛えなくて大丈夫です。参加者の条件がはっきりしていて、運営が最後まで同席していて、次の回がある集まりを選べば、交換するかどうかを落ち着いて決められます。
社会人サークルで連絡先を交換する前に、先に押さえる3点
「社会人サークル 連絡先 交換」で検索してきた場合、止まるのは相手を見抜けないからではなく、その場で交換するかどうかを相手選びで決めていることが多いです。ここまで読む前に、始め方の型だけ先にまとめます。
- 重い理由:初対面の相手を見抜こうとすると、交換の判断が重くなる
- 置き換え:相手選びより、参加者条件・運営常駐・次の回がある場を選ぶ
- 具体案:次の回が決まっている集まりで1回参加し、交換は後回しにする
急いで集めない考え方は連絡先の交換は急がなくていいにまとめています。
よくある質問
その場で交換しなかった相手とは、もう話せませんか?
同じイベントに続けて参加すれば、また顔を合わせられる。連絡先が無くても、次の回で会えば話の続きから始められます。急いで交換するより、次に参加する回を1つ決めておけば十分。
連絡先を聞かれて、断りたいときはどうすればいいですか?
交換は自由なので、断っても大丈夫です。断りづらいときや、断ったあとも連絡が続くときは、運営へ伝えてください。相談の窓口は、その場でも後日でも、公式LINEのトークでも受けています。イベントに毎回、運営が参加者として入っているのも、そのためです。
Coeliaの参加者から、マルチや投資の勧誘を受けることはありませんか?
マルチ商法・ネットワークビジネス等に関与されている方の参加をお断りしています。運営が関わっていない外部のイベントやコミュニティへの勧誘も、相手が求めていない一方的な売り込みも禁止です。それでも気になる言動があったときは、その場でも後日でも運営に相談できます。運営がプライバシーに配慮しながら内容を確認し、必要に応じて対応する流れです。
Coeliaの運営から、副業やビジネスの話をされることはありますか?
ありません。マルチ商法やネットワークビジネス、投資や副業の商材へ参加者を誘うことは、これまでも、これからもない。当日に発生する支払いも、参加費と、イベントによっては飲食代だけです。
仕事の話や、お店の紹介をしても大丈夫ですか?
問題ありません。キャリアや働き方の相談も、おすすめのお店や人を教え合うことも、Coeliaが歓迎している交流です。お断りしているのは、相手が求めていない一方的な売り込みと、運営が関わっていない外部のイベントやコミュニティへ人を連れて行くことに限られます。

