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夜のタイムラインに、同じ日の同じ時間帯が並ぶことがあります。ベッドから見上げた天井、乗り換えのホーム、コンビニの前。2秒ずつ切り取られた映像が1本につながって、なんでもない1日がそのままVlogになっています。

setlog(セットログ)が広がった理由は、編集がいらないからだと説明されることが多い。撮るだけで勝手に1本になる、だから流行った、という筋です。手軽さの話として読むと、そこで終わります。

コエリアリサーチャーの友達Aです。普段はCoeliaのイベント設計を担当しながら記事を書いています。この記事で確かめるのは、setlogのどこがアプリの側で決められていて、何が使う人の側に残るのかです。

セットログ(setlog)とは、1時間ごとの2秒で1日を残す共同Vlogアプリです

setlogは、New Chat Inc.が提供している無料のアプリです。App Storeの紹介文は「セットログ:同じ1日、それぞれの瞬間」で始まり、毎時間の短い動画を友だちと一緒に残すことが説明されています。ログと呼ばれるグループに友だちを招き、それぞれが自分の時間を撮ると、集まった映像が時系列で1本にまとまります。

入れる前に気になるところを先に片づけます。App Storeでは価格が無料と表示され、対象年齢は13歳以上。Google PlayにもAndroid版があり、どちらも提供元はNew Chat Inc.です。アカウントを作って、ログに入るところまでで支払いは発生しません。

ここで見落とされやすいのが、集まっているのは映像ではなく、同じ時間に別々の場所で生活していたという事実のほうだという点です。画角も明るさも編集も、ほとんど成果に影響しません。効いてくるのは、その時間に撮った人が何人いたかだけ。うまく撮る競争を降りた代わりに、同じ時間に居合わせているかどうかが、そのまま出来ばえになります。

使い方は、ログを作って友だちを招くところから始まります

手順そのものは短い。つまずくとしたら操作ではなく、そのあとに来る「誰を招くか」のほうです。

  1. ①アプリを入れて登録する:App StoreかGoogle Playから入れて、アカウントを作ります
  2. ②ログを作る:ホームからログ(撮った映像がたまるグループ)を作り、名前を決めます
  3. ③友だちを招く:招待リンクを送るか、相手から参加コードを入れてもらいます
  4. ④1時間ごとに撮る:通知が来たら、そのときの短い動画を撮ります。ひとりで撮るソロのログも作れます
  5. ⑤1日分を書き出す:たまった映像が自動で1本にまとまるので、手元へ保存したり、別のSNSへ上げたりできます

通知をオフにしていると撮る合図が来ないので、始めた日はオンにしておくほうが続きます。撮った映像には、その場でリアクションやコメントを返せます。

1日の流れを示した図。上の段には1時間ごとの短い動画が点として等間隔に並び、撮れなかった時間は空いた点のまま残ります。下の段では、その点が1本の帯になり、1日分が自動で1本のVlogにまとまることを示しています1時間ごとに、そのときの短い動画白い点は撮れなかった時間1日分が自動で1本のVlogにまとまります
1時間ごとの短い動画が、1日分で1本にまとまります(撮れなかった時間は空いた点のまま残ります)
夕方のワンルームで、部屋着の若い人がテーブルの前に座ったまま、数秒だけスマートフォンを目の前の景色へ向けている様子を描いた挿絵

1時間ごとに撮るという条件が、生活のほうを映します

使い方の流れは短い。アプリでログを作り、招待リンクか参加コードで友だちを招きます。あとは1時間ごとに短い動画を撮り、1日分がまとまったら書き出して手元へ保存する。撮った映像には、その場でリアクションやコメントを返せます。

流れが短いぶん、決まっていることと、こちらに残ることがはっきり分かれます。

setlogが決めていることと、使う人の側に残ること
項目アプリが決めていること使う人の側に残ること
撮るタイミング1時間ごとに、そのときの短い動画を撮るその時間にスマホを開けるかどうか
仕上がり1日分が自動で1本のVlogにまとまる編集の腕は要らない。並ぶ中身だけが残る
参加する範囲招待した相手だけが同じログに入る誰を招くか。招ける相手が何人いるか
見え方同じ日の同じ時間帯が横に並ぶ自分の1日が、人の1日と並んで見えること

表の右側は、どれも操作では変えられません。1時間ごとという間隔は、うまく撮る余地を削る代わりに、生活のリズムをそのまま画面へ出します。予定のある日は外の景色が増え、家から出なかった日は同じ天井が並ぶ。撮り方ではなく、その日の過ごし方が映るしくみになっています。

撮る前に決めておくのは、写る場所と書き出したあとです

同じログに入るのは招待した相手だけです。ただ、映るものを決めるのはアプリではなく撮る側で、ここだけは最初に線を引いておくほうが後で困りません。

  • 場所が分かるものを外す:自宅の前、最寄り駅の看板、職場や学校の入口、社員証や制服。1時間ごとに撮ると、通っている場所は自然と何度も映ります
  • 写る人に断る:同じ空間にいる人が映るときは一声かける。ログの中だけとはいえ、相手の1日も一緒に残ります
  • 書き出したあとを分けて考える:手元に保存した動画を別のSNSへ上げると、見える範囲はそこで変わります。ログの中の相手と、SNSの向こうの相手は同じではありません

データの扱いそのものは、アプリのプライバシーポリシーが大元です。App Storeのプライバシー表示では、連絡先情報・ユーザコンテンツ・IDがユーザに関連付けられたデータとして挙げられています。気になる項目があれば、入れる前に読んでおくほうが早い。

BeRealとの違いは、消している余地が違うところです

加工しない日常を残すアプリとして、BeRealと並べて語られることが多い。App Storeの説明文によると、BeRealは1日1回、ランダムな時間に通知が届き、そこから2分以内に撮って投稿するしくみです。カメラは前と後ろを同時に写し、フィルターは用意されていません。

並べてみると、2つが消しているものが違うと分かります。BeRealが消しているのは盛る余地で、setlogが消しているのはばらばらの時間。前者はいつ届くか分からない通知で身構える時間を奪い、後者は1時間ごとという間隔で同じ日を横に並べます。

BeRealとsetlogは、消している余地が違います
項目BeRealsetlog
撮るタイミング1日1回。ランダムな時間に通知が届く1時間ごと
制限時間通知から2分以内ストアの説明文に記載なし
カメラ前と後ろを同時に写す。フィルターなし縦向きでも横向きでも撮れる
1日の残り方その日の1回ぶんが残る1日分が自動で1本のVlogにまとまる
ひとりのとき自分の1枚として成り立つ並ぶのが自分の映像だけになる

選び分けは、残したいものがどちらかで決まります。ふだんの自分をそのまま出したいならBeReal、誰かと同じ日を並べたいならsetlog。ただし後半のほうは、並べる相手がいないとしくみの半分しか動きません。

連絡先はつながったのに、同じ時間だけがつながっていません

連絡が取れないから会えない、という時代ではなくなりました。総務省の令和7年版情報通信白書によると、LINEの利用率は2014年の55.1%から2024年には94.9%へ広がっています。手元の連絡先は、10年前より確実に増えました。

それでも、連絡が取れることと、同じ時間を過ごしたことは別々に動きます。メッセージはいつ送っても届く一方で、同じ時間に同じことをしていた記録は、あとから作れません。学校のように時間割が共有されていた時期を過ぎると、起きる時刻も、帰る時刻も、休みの曜日もそろわなくなります。連絡先の数がそのまま増えても、時間だけがそろわない。setlogのような同時刻を並べるアプリが目に入りやすいのは、この差が見えるようになった場所だからです。

ここは一次情報から直接出る話ではなく、この記事の見立てです。同世代の生活時間がどれだけずれているかは、この記事では測っていません。

setlogでつまずくのは、操作ではなく一緒に入る相手です

ひとりでも記録は残せます。ただ、1日分を書き出したときに並ぶのが自分の映像だけだと、しくみの半分しか動きません。setlogの面白さは、同じ2秒に別の人の生活が映っていることに寄りかかっています。

そして招ける相手は、連絡先の一覧とは一致しません。1日の何気ない時間を並べても違和感がない相手は、たいてい思い浮かぶ範囲に限られます。連絡先はあるのに誘えない状態は、SNSの投稿を見て予定の無さに焦っていた話で書いた詰まり方と同じ形です。並べる相手そのものを増やしたい場合は、社会人になってからの友達の作り方のほうが近い。

動かせるのは撮り方ではなく、同じ時間に居合わせる回数です

setlogをうまく使う方法を探しても、変えられる余地はほとんど残っていません。間隔も、仕上がりも、アプリが決めています。残っているのは、同じ時間に居合わせる相手がいるかどうかという外側の条件だけです。

夜の飲食店で同じテーブルを囲む3人の若い人が、ひとりが短い動画を撮るあいだも互いを見て話している様子を描いた挿絵

思い出は撮り方ではなく、同じ時間に居合わせた回数で決まります。性格を変える必要も、話がうまくなる必要もありません。動かすのは、同じ場所に居合わせる回数のほう。1回同じ卓を囲めば、次の週末の予定が1つ埋まります。

Coelia(コエリア)は、東京で20代向けのイベントを開いています。ダーツ・スポーツ・季節の行事・もくもく会など、ひとりで申し込んだ人が同じ時間を過ごすコミュニティです。ダーツの回の開催予定は1ページにまとまっているので、日付と内容を見てから決められます。

セットログを調べるとき、先に押さえる3点

「セットログ」で検索してきた場合、止まるのは操作より、一緒にログへ入る相手が思いつかないことが多いです。ここまで読む前に、始め方の型だけ先にまとめます。

  • 重い理由:使い方だけ押さえても、並べる相手がいなければ仕組みの半分しか動かない
  • 置き換え:連絡先を増やすより、同じ時間を過ごす回数を一つ選ぶ
  • 具体案:ひとり参加できる集まりで同じ卓を1回囲み、次に誘える相手を1人見つける

よくある質問

setlogは無料で使えますか?

App Storeでは価格が無料と表示されています。対象年齢は13歳以上、提供元はNew Chat Inc.です。料金や課金の扱いは変わることがあるので、入れる前にストアの表示を確かめてください。

何人まで一緒に使えますか?

App Storeの説明文には、最大20人まで招待できると書かれています。実際に入る人数は、ログを作るときに決めます。

Android版はありますか?

あります。App StoreとGoogle Playのどちらでも配信されていて、提供元はどちらもNew Chat Inc.です。Google Playのコンテンツのレーティングは12歳以上と表示されています。

撮り逃した時間は、あとから足せますか?

その時間に撮ることを前提にしたしくみなので、あとからきれいに埋める使い方には向きません。撮れない時間があっても記録は残るため、抜けを気にせず続けるほうが合っています。

知らない人に見られませんか?

同じログに入るのは、招待した相手だけです。ただし書き出した動画を別のSNSへ上げれば、見える範囲はそこで変わります。取り扱いはアプリのプライバシーポリシーを確かめてください。

BeRealとは何が違いますか?

BeRealは1日1回、ランダムな時間に届く通知から2分以内に撮るしくみで、前と後ろのカメラを同時に写します。setlogは1時間ごとに撮って、1日分が自動で1本のVlogにまとまります。BeRealが消しているのは盛る余地で、setlogが消しているのはばらばらの時間です。

一緒に撮る相手がいないときは、どうすればいいですか?

ひとりでも記録は残せます。並べる相手を増やしたいなら、連絡先を集めるより、同じ時間を過ごす回数を増やすほうが早い。ひとりで申し込める集まりへ1回行くと、次に誘える相手ができます。

参考文献

同じ時間を、次の週末に1回つくります

思い出は撮り方ではなく、同じ時間に居合わせた回数で決まります。同じ卓を1回囲めば、次に誘える相手ができます。

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